2005年2月 ひなの国九州! 第2段
(**筑後吉井おひなさまめぐり**)

柳川さげもんに続いて、九州のひな祭りシリーズ第2段「筑後吉井おひなさまめぐり」へ行ってきました。大分道「朝倉IC」から約15分ほどで福岡県の吉井町へ到着する。吉井町は江戸時代の宿場町として栄えたこともあって、当時の町並みが残されており、特に国道210号沿いを中心に建ち並ぶ白壁土蔵はたいへん雰囲気の良いものだ。この白壁土蔵はまさに吉井町のシンボルとも言える。おひな様めぐりの期間中は、観光会館「土蔵」を目指すと良い。たいへん広い無料駐車場がある。普段は知らないが今回は日曜日というのにたいへん空いていた(小雪舞う寒い日だったからかも?)。この駐車場には、ガイドマップを無料で配っているボランティアの方もいてたいへん親切なサービスでわかりやすい。吉井おひなさまめぐり1番の人気スポット「土蔵」はまさに吉井町のシンボルどおりの白壁造りの元酒蔵でよく目立つ。

この吉井町の「おひなさまめぐり」の特徴は何と言っても箱に丁寧に納められている「箱びな」である。特にここ土蔵さんには、筑後地方最古の享保びな があり、ここ吉井おひなさまめぐりの顔になっている。他にも古くて奇麗な箱びなが多く展示されています。又、ここに展示されている貴重なおひな様コレクションは全て金子氏(金子文夫資料展示館も別にあります)の秘蔵のものだそうで、本人がわざわざいらっしゃって詳しい解説をしてくれます。92歳だとおっしゃられておりましたがホント元気な方で、好きなんだなぁ〜と感心させられました。続いて、箱びなとならび吉井町の大きな特徴でもある「おきあげ」も多数展示されています。おきあげとは?かつて雛人形がたいへん高貴の方にしか手に入れられなかった頃、農家などの女性が着物の切れ端で、羽子板の人形のような「おきあげ」と呼ばれるひな人形を作る独特な習慣があったそうです。

目移りしてしまう程、貴重な箱びながならぶ中、吉井の顔的存在の「享保びなの箱びな」の前で記念撮影です。約280年前のものとのことです。たいへん綺麗に保存管理されており驚きました。中写真では、その享保びな(面長で2つの箱の間隔が離れている方)とこれも古い約200年前のものと交互に表示しています。現代びなの元となった古今びなとはまた雰囲気が違い、たいへん味のあるおひなさまでした。但し、菜優ちゃんにはちょっと表情が恐かったようで、ご機嫌ななめって感じです。先に紹介した「おきあげ」も再度紹介です。歌舞伎物がたいへん人気だったようで、今ではそちらのものが多く残っているそうです。羽子板みたいな作りになっていますし、すごく立体的だし、1つ持っていたいなぁ〜って感じになるものです。下の竹棒に刺して飾ってありました。たいへん綺麗です。

各ポイントには道案内のスタッフの方がおり迷いませんし、無料で配布されているガイドマップも見やすく分かりやすいので有難いです。又、順路とナンバーとコメントも記載されているため逃すことなく順番にひなめぐりできます。土蔵がスタートで、続いて2番目がこれまた白壁造りのギャラリー「安脚場」です。ここも有名なおひなさま観賞スポットとのこと。残念ながら有料(\350)ですが見ないと損な程です。とにかく狭い入り口で靴脱いで中に入ると、狭い中にびーっしりと貴重なおひな様が無数に展示されています。もう何ペアあるのかわからなくなる程ですし、階段にセットするような面白いひな壇飾りもありました。

もう〜ありすぎて間違いなく華やかなところなんですが、どこまでがこっちのグループで、どちらからがあっちのグループなのか?もうわかりません。いやぁ〜とにかくすごい数です。いったい何体あるのでしょうか?ちなみに聞いてみると西日本最大規模の約600体だそうです。すごいはずだ。それに元禄雛、享保雛、有職雛、古今雛と各年代のお雛様が勢ぞろいです。必見です。続いて「林家」のおひな様も公開されております(中写真)。車庫にはこれまた懐かしいオート3輪も展示されています。いやぁ〜一般の方の公開も素晴らしいです。自分の家を、知らない方々が自由に覗いていくのってどんな感じなのでしょうか?寒い中すみませんでした。白壁土蔵が建ち並ぶ「白壁通り」はレトロな雰囲気で最高です。

白壁通りを抜けて国道210号に出るとそこは人気の別名「蔵しっく通り」です。この通りは、古い土蔵や商家を利用したアンティークショップ街になっていて、若い人たちに大人気なんです。その通りの角にはレトロな看板が目立つ「菓子処 トンダヤ」さんがあります。雰囲気良いでしょう?このお店は九州を代表する名産ざぼん漬けの発祥の店なんだって。すごい。一見単なる古いお菓子屋さんなんだけど、中の部屋に通されるとそれは見事な段飾りがありました。いやぁ〜流石ひなの国。どちらも見事なおひな様お持ちになっていること!驚き!

蔵しっく通りのアンティークショップにはそれぞれ見事なお雛さまが独特のこったディスプレイで飾ってありました。又、格子の玄関入って一般の方のお宅を覗かせて頂くのも何となくドキドキするもんですね。「お菓子の とくど屋」さんには壁全面に数多いおきあげが展示してあって、皆さんから「わぁ〜すごい」と歓声がおこっていました。特に中央の特大おきあげは貴重で必見ものだそうです。おきあげは1つ1つたいへん凝っていて、綺麗で、ひとめで虜にされました。庶民のおひな様だそうですが芸術品のように見えます。昔の人はすごいですねぇ。

蔵しっく通りには、本物の貴重な箱びなよりも菜優ちゃんの気をひくおひな様がありました。可愛いキティちゃんのお雛さまいろいろです。スヌーピーもいたかな?これを見つけた菜優ちゃん、もぉ〜動けなくなっちゃった。「ギャラリー喫茶 路」では、柳川にも負けない筑後さげもんが多く展示されていました。吉井にもさげもんがあるんですねぇ?但し、柳川さげもんとは造りが全然違ってました。菜優ちゃんは、自分のさげもん持っているだけに大喜びです。でも派手さという意味ではやはりさげもんは柳川ですね。
無数のさげもんと大正びなとのセット良いですねぇ。我が家のカントリー調の部屋より、やはり和風だとしっくりいきますね。でもたいへん綺麗でした。続いてこれまた有名な「ギャラリー創」へ到着。ここも良く雑誌や観光ガイドでとりあげられている人気スポットです。「安脚場」とここだけは有料です。こっちの方がちょっとだけ安い\300です。しかし、中に入れば入場料とられても仕方ないかぁ〜と思うはずです。とにかくここもすごいです。まずは2Fに上がると、結構リラックスできてしまうような普通のお部屋になります。いかにも普通のお宅のおひな様って感じで雰囲気は良いのですが、飾ってある肝腎のおひな様は一般的でなくすごいものばかりです。すごい良いお部屋だったのでファミリーで少々休憩させてもらっちゃいました。
見て下さい。2F階段の踊り場から見た景色。まさにおひな様の国という感じです。下を覗けばこれまた見事な特大の段飾りがあります。ここもいったいいくつあるのでしょうか?とても数えられません。横に長〜い段飾りに、何組ものおひな様が飾ってある風景はもう圧倒されてしまいます。ホントすごいです。
もちろんすごいのは数だけではありません。見事な古今びななど古いものが陳列されています。それも珍しい江戸時代は天保時代の車長持ち箪笥とともに展示されているだけに迫力があります。加えて「ギャラリー創」さん自慢の「日本一大きなひな人形」(明治時代)の展示も人気です(中写真)。現存する当時のものとしては日本最大で男雛が87cm女雛が110cmだそうです。デカイというより長いって感じでしょうか?確かに今まで見て来た他のひな人形とは雰囲気がまるで違うようですいろんなおひな様があるんですねぇ。他のお菓子処さんや羊羹屋さん、呉服屋さんにもいろいろ貴重な箱びなが各々工夫されて展示されてました。どれも歴史があり見れて良かったです。

ゆっくり見ても1時間半くらいあれば見てまわれる範囲ですので、半日コースには最適です。ここで小腹が減ったのでちょっと遅めの昼食にすることに。何を食べようか?迷いましたが、TVどっちの料理ショーの「特選素材」で紹介&出演された(この時は素麺で)という「長尾製麺所」へ。一見するとトイレ?倉庫?と勘違いしてしまいそうな入り口から入って右の納屋?が隣接するうどん屋さんの「井戸」です。暖簾がかかっているのも気づかず製麺所の方に聞いてしまいました。店内もいたってシンプル。大きなテーブル3つと椅子しかなく、飾りっけ全くなしで中も倉庫の雰囲気。メニューもこれまた同様にシンプル。かけうどん、野菜天うどん、ぶっかけ、ざるうどん、かしわご飯のみ。それも野菜天およびかしわご飯早々に売り切れとのこと。今日はあいにくの小雪舞うような寒い日なので仕方ないのでかけうどん注文。ところがとにかく麺はさすがTVにでるだけあって(日本一のうどんめざしているだって、すごい!)極美味い!こしがすごくて、のどごしもたまらない。いやぁ流石です。但し、個人的な好みですが、やはり薄だしにはまだ慣れません。関東の濃いおダシが欲しい〜!でもホントすごいうどん屋さんです。ちなみに商売っ気も全然なく昼から4時までの営業で終了です。

この製麺所にも、流石麺ばかりでなくおひな様も展示されています。それも立派な段飾りがいくつも。その上、隅に展示されているので初め気づきませんでしたが、江戸中期の五人囃子は傑作だそうです。なるほど解説良く読むと5人の表情の豊かさなど言われてみれば納得できます。そんな傑作よりも菜優ちゃんは囲炉裡の中の炭が気になって・・・ずーっとつっついて遊んでました。確かに子供にはこちらの方が楽しいのかもしれませんね?町、商店街等が一体となって町おこしというか?吉井町もしくはこの地方の伝統を継承していこうという姿勢はたいへん素晴らしいことだと思いました。それに1日にこんなに多くのひな人形見たの初めてなので、圧倒されぎみでした。でも、やはり古い箱びななど見ると、その深い趣きにただただ感心するのみです。人気の貴重なアンティークひな人形の販売しているところもありましたが、確かに素晴らしかったのですが、その値段にただただ眺めるだけとなりました。それにしてもボランティアの数も多いし、通りには雛めぐりの旗があるのでこれに沿って歩いて行けば良いし、この暖簾のあるところは公開されている印になるのでわかりやすくて廻りやすいです。素敵な町&お祭りでした。

吉井町 http://www.town.yoshii.fukuoka.jp/
ひなの国 九州 http://www.attaka-kyushu.com/attaka/hinamatsuri.html
どっちの料理ショー(2000年8月放送)http://msew.msec.ne.jp/docchi/main.jsp?seq=150

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